2010年6月17日木曜日

結婚しました




















えー、というわけで(どういうわけだか)山男と山女はついに正式に結婚してしまいました。
2010年6月5日(土)、身内だけでささやかな式と昼食会を行いました。

なぜこの日かというのは、山男60歳、山女50歳、二匹のニャンコsが10歳と非常にキリが良く覚えやすい日だからでございます。

我々の性格を良く知っている人の中には「どうして結婚することに決めたの?」という質問をする方もござりました。まったく当然な疑問でございます。我々自身「結婚したからといって何が変わるわけでもなし〜」と思っていたのですから。

「そりゃ、結婚はcommitmentだから」と言って下さる方もあります。
このcommitmentという言葉、日本語ではそのままぴたりと来る言葉はないように思います。私が持っているこの言葉の意味のイメージは「ある事象を自らのものとして積極的にこれに関わり、それに伴う責任を自らのものとして負うこと」という感じでしょうか。

結婚=commitment?
うーん、若いカップルなら「結婚」というイベントにそういう意味付けもあるのかもしれませんが、我々二人の間ではこの意味でのcommitmentはすでになされており、それが結婚という形を取るかどうかということはあまり重要ではないと思われておったのです。

それに他の多くの州と同じく、カリフォルニア州でも「domestic partnership(内縁関係)」という届け出をすれば、法律上の権利と義務は結婚した夫婦と変わらないとも聞いておりまして、ますます「結婚」というものの実態が訳の分からない世の中になっているということもあったのでございます。

そんなにぐだぐだ言ってたヤツがほならなんで結婚したん?
って、そう思いますわなあ、そりゃ。
端的にいえば、ある第三者の事故をきっかけに「何かあったときのために分かりやすい形にしておいた方が何かといいだろう」という合意に達したからです。

で、まあしてみてやっぱりよかったなと思うのは家族にでも友人にでも恩師にでも「結婚」という形式は今の時代にはやはりとても分かりやすい形式なわけで、皆さんとても喜んで下さいました。みんなが喜んでくれるのを見てまたこちらも嬉しくなるわけで、「ああ、なるほど『結婚する』というイベントはこういうことであったのか」と、また認識を新たにしたわけでございます。

そうして認識があらたまってさらに考えるのは「同性婚」のことでござります。
カリフォルニア州では2008年5月に「同性婚の禁止は違憲」との判決が下され同性婚が解禁に。ところが、わずか半年後の11月の州民投票で同性婚廃止・改憲案が僅差で可決され、同性の結婚が認められないまま今に至っています。(ここで違憲、改憲というのは州の憲法のことです。この辺が日本と違ってややこしい)
昨日6月16日にカリフォルニア州の最高裁で「同性婚廃止・改憲案は合憲か」という裁判の最終審理が終わり、判決が数週間後に出るだろうと言われています。

なぜ同性で結婚しちゃいけないのか。
これが私にはさっぱり訳が分かりません。
「だって、結婚は男女のものだから」
「だって、同性愛の人だって内縁関係の登録をすれば権利と義務は同じなんだから」
じゃ、結婚って何ですか。

「子どもを産み育てることを目的とした男女間の契約が結婚である」というのが同性婚反対派の主張らしいです。

が、

あの〜、結婚の申請用紙とかにそういうことどこにも書いてないんですけど。
書類上でもお役所の人からでも
「子どもを作る気があるのか」とも
「子どもを作る能力があるのか」とも
何にも聞かれない。
目的も何も聞かれないうちに書類はすんなりと受理されます。
なのに同性婚の是非を云々するときだけ「結婚の目的は子どもを産み育てること」っていうのが出てくるのはおかしいんじゃございませんか。

別に私が同性愛の人に特別な思い入れがあるということではないんです。
性別とか年齢とか身体能力とか人種とか性的志向とか、そういうもって生まれたもので人を差別するということが今の世の中にまだ存在しているということが理解できないのです。

同性愛の人が結婚すること、あるいは結婚したがることがいいとか悪いとかいう問題じゃなくて、彼等にも結婚するかしないかという選択肢が他の人々と同様に持てて然るべきでしょう。

ヒトハナゼケッコンスルノカ。
つまり、なぜ現行法に則ったカタチに収まろうとするのか。

「内縁関係」でいいのだという考え方が流布すれば「結婚」というものはどんどん形骸化が進んで行って、将来的にはなくなるのかもしれません。

あるいは同性婚が認められて普通になるようになったら「内縁関係」という登録の意味がなくなって「結婚」というカタチに意味が戻ってくるのかもしれません。

どちらにしても意味と形が近づいたものになっていらぬ差別が排除されればよいのに。

めでたいタイトルの話がなんだかややこしい話になってすみません。ぐだぐだ言ってる割には本人たちはやっぱり嬉しくて単純に喜んでいます。

2010年6月3日木曜日

テキサス食い倒れ その1

また食べもんの話ですか。
とお思いかもしれませんが、今回はテキサス州はオースティン市まで出張しての食べもん話です。出張代がかかってます!

なぜオースティンかというと虎の穴(大学院)時代の我的朋友Z子はんの生息地だからでございます。彼女がオースティンに行ってからかれこれ、、、えっと10年?11年?やっと実現したオースティン訪問でございます。

しかし、オースティンという言葉にはちょっとした思い出のある私。
アメリカに来てすぐにティーチングアシスタントとして日本語を教え始めた17年前。私ははりきっておりました。はりきっていたが故にしなくていいことまでいろいろやっておりました。例えば、「もしも学生に『自分の名前を漢字で書くとどうなるのか教えて』と頼まれたら?」と頼まれてもいないのに頼まれたときのことを想定し、その時チームで担当していた約100名の学生の名前(苗字)を漢字でノートに書き出したりしておりました。

その時の学生の一人がオースチンさんという女の子。
「大素珍」
これしかないわなー!わっはっは!
と一人で暗い寮の部屋でウケておりました。
顔も名前も一生忘れないわ、大素珍さん。

というわけでやってまいりました大素珍市!!
(また『前置きが長い』とか叱られるぅ〜)

夕方の便で到着。
Z子はんにはかねてより「前に話してくれてた小屋みたいなところのバーベキューが食べたい」とリクエストしておりました。
で連れて行っていただいたのが田舎道の果てにある小屋みたいなバーベキューハウス「ソルトリック(Salt Lick)」。





























うまい〜〜〜!!
めっちゃ素朴なのにめっちゃうまい〜〜!!
すごくいい感じに焼いてある。
ビールはもちろんシャイな僕(シャイナーボックという地元のビール)。
お土産にBBQソースと揉み込み用スパイスをゲット。



おなかがいっぱいになったので、腹ごなしの運動のために「湖」という名前の大きな川沿いの遊歩道へ。
そこで白鳥の親子に遭遇。
















かわいい〜!
白鳥のお母さん、子ども可愛さのあまり犬にけんか売ってました。
















犬の飼い主は、おもしろがってたのか、、、何もせんと見てはりました。

夕暮れの湖(川)沿いの遊歩道は花盛りで大きい木がたくさん茂っていて、ロサンゼルスでは味わえない緑のてんこもり。
そしてロサンゼルスでは味わえない高い気温と高い湿度。
むじあづい〜〜〜〜〜。
なんせ、このごろのロサンゼルスの最高気温よりオースティンの最低気温の方が高い。
夕方になっても涼しくはならん!

なのにローカル娘(?)Z子はんと、ロサンゼルスでの私の元同僚でなぜか今はZ子はんの助手なM嬢は「この時間になると過ごしやすいねえ」なんてのんきなことを。
ヒトの適応力ってすごい。

翌日はZ子はん、M嬢、そして大学院時代の私の同級生で、なぜか今はZ子はんの同僚なCちゃんとランチ。人より長く大学院に居残っていた私にとってはCちゃんもZ子はんも大学院の友達なんだけど、CちゃんはZ子はんが入学する前に卒業したので二人は大学院では会っていない。とまあわけ分かりませんが、オースティンは私がそれぞれ別々な事情で知り合った友達が3人も集まっちゃってるふしぎな町なんです。

まあ、そんなことはどうでもいいけどランチはタイ飯。
タイと言えば、ロサンゼルスでの勤務先の近所に激ウマのヌードルを食わせるタイ飯ファーストフード屋があります。そこのヌードルの味が忘れられないM嬢はオースティンに来てからなんとかあの味のヌードルに出会えないか、といろいろ探していたそう。で、この日我々が行ったこの店で「近い!」ヌードルに出会ったそう。

で、M嬢はこの店でヌードルを注文するたびに控え目に(ずうずうしく)「あのー、豚肉はスライスじゃなくて、ミンチにしてもらえないでしょうか」とか「あのー、できれば魚丸(中華スーパーでは魚丸と書いてある。英語ではfish ballという。かまぼこのダンゴみたいなの)を入れてもらえないでしょうか」などと幻のヌードルに近づけるべくリクエストし続け、やっと到達したのがこれ。















おー、近い、近い!
でもね、M嬢、さつま揚げを忘れてない?
「あー、さつま揚げも入ってましたっけ〜」
入ってたよ。次回はぜひそれもリクエストしてみておくれ。

で、お味は。
う〜〜〜〜〜〜んんんんん。
近いっちゃあ近い。
でも幻のヌードルはこれほど甘くない。
そしてもっと酸い。

というわけで、テーブルに置いてあった調味料の中からナンプラーやら青唐辛子の酢漬けの酢やらチリペーストやらを投入。
で、出来上がったのがこれ。















ふふふ、またさらに近づいたでしょう。
でも、あまり酸いものにも辛いものにも魅かれてない様子のM嬢は「わ〜、すごいですね〜、ふふふ」と婉然と微笑むだけであった。
そう、M嬢はこの婉然たる微笑みという最強の武器で渡る世間に敵は一人もいないというすごい人なのである。


まだまだ食い倒れの旅は続く!!